大和ハウス工業の年表14件を、通り道で分けてみた。
スタンレー・マーチンを通じたもの7件、トゥルーマーク3件、キャッスルロック2件、賃貸住宅のAlliance Residential 2件。
14件はすべて米国だ。そして半分の7件が、2017年に迎えた1つの住宅会社、スタンレー・マーチンを通じた取得になっている。迎えた会社が、次の会社を迎える側に回る。その順番が年表に並んでいる。
迎えた会社が、次を迎える
2017年2月、大和ハウス工業はバージニア州・ノースカロライナ州・メリーランド州で住宅を売るスタンレー・マーチンをDaiwa House USAの子会社にし、米国の戸建住宅事業に入った。同じ年の12月の発表に、そう書かれている。
その12月、スタンレー・マーチンはジョージア州アトランタとサウスカロライナ州チャールストンで住宅を売るFDコミュニティーズの事業を譲り受ける契約を結んだ。2020年2月にはノースカロライナ州・サウスカロライナ州のEssex、2021年9月にはフロリダ州のAvexと続く。
2024年5月には、住宅会社ではなく、土地開発と土地造成を請け負うPrestigeの持分すべてを取得すると決めた。Prestigeは約8,050区画の開発予定地を確保している。家を建てる前の「土地」の側を取り込んだ1件だ。
2025年9月にノースカロライナ州のWindsor、2026年5月にUnited Homes Group、7月にフロリダ州のHoliday Builders。2026年7月の発表は、スタンレー・マーチンが2017年のグループ入り以降に取得した6件を表にし、Holidayを加えて7州17エリアになったと書いている。
会社そのものではなく、会社が持つ土地や建物、そこで働く人などの「事業」を引き継ぐやり方。大和ハウス工業の発表では「企業が保有する土地や建物などの資産と、住宅の建設や販売を行う従業員が対象」と説明しています。たとえるなら、お店の会社ごとではなく、売り場と店員さんごと引き継ぐ形です。
事業稼働チャート
西のトゥルーマーク、南のキャッスルロック
2020年1月、Daiwa House USAはカリフォルニア州のTrumark Companiesの創業者から持分の60%を取得し、子会社にすると決めた。2023年10月の発表の会社概要では、持分比率は80%になっている。
トゥルーマークは2023年10月にカリフォルニア州中央部のWathen Castanos Homes、2026年3月にワシントン州シアトル大都市圏のMonarchの事業を譲り受けた。
テキサス州を中心に住宅を売るキャッスルロックは、2024年1月にテネシー州ナッシュビルのJones Company、2025年11月にアラバマ州ハンツビルのWrEn Homesの事業を譲り受けた。WrEnの発表には「アラバマ州に初進出」とある。
東、西、南の3つの会社が、それぞれ自分の隣の州の会社を迎えていく。本社が全部を決めるのではなく、地域の会社に次の一手を任せる形が、年表から読み取れる。
戸建てから、賃貸住宅へ
2024年11月、Daiwa House USA Holdingsを通じ、全米16州39都市圏で賃貸住宅を手がけるAlliance Residentialを持分法適用関連会社にした。持分は35%と、2026年2月の発表に書かれている。
その2026年2月、Alliance Residentialと共同で賃貸住宅の開発を始めた。第一弾はテキサス州セリーナの414戸で、総事業費は約170億円。持分を持つ相手と、実際の建物をつくるところまで進んだ。
数字の読み方
United Homesの「約221百万米ドル」は企業価値評価額で、発表にはこのほかの取得の金額は書かれていません。ほかの13件は、引渡戸数や確保している区画の数で規模が示されています。
引渡し1万戸超へ
2026年5月の発表には、スタンレー・マーチン、キャッスルロック、トゥルーマークの年間の戸建住宅引渡戸数を、2024年の7,095戸から2026年に1万戸超へ引き上げることを目指すと書かれている。
そのあとの7月、Holiday Buildersの全株式を取得した。Holidayの2025年の引渡しは1,050戸。スタンレー・マーチンのフロリダ州での供給体制は年間約600戸と書かれており、それを大きく強める1件になる。
大和ハウス工業の新規事業 年表
- 2017.12スタンレー・マーチンがFDコミュニティーズの戸建住宅事業を譲り受けへ2017年2月に子会社にした米国東部のスタンレー・マーチンが、ジョージア州アトランタとサウスカロライナ州チャールストンで住宅を売るFDコミュニティーズの事業を譲り受ける契約を結んだ。12か所の分譲地を直接持ち、経営陣と従業員もスタンレー・マーチンに加わる。継続中
- 2020.01米Trumarkの持分60%を取得して子会社にDaiwa House USAが、カリフォルニア州で戸建分譲や分譲マンションを手がけるTrumark Companiesの創業者から持分の60%を取得して子会社にし、事業成長のための資金も追加で出すと決めた。継続中
- 2020.02スタンレー・マーチンがEssex Homesの戸建住宅事業を譲り受けへスタンレー・マーチンが、ノースカロライナ州・サウスカロライナ州で住宅を売るEssex Homes Southeastの事業を譲り受ける契約を結んだ。2019年の引渡しはスタンレー・マーチンが1,773戸、Essexが853戸。継続中
- 2021.09スタンレー・マーチンがAvex Homesの戸建住宅事業を譲り受けへスタンレー・マーチンが、フロリダ州オーランドとタンパで住宅を売るAvex Homesの事業を譲り受ける契約を結んだ。2020年の引渡しはスタンレー・マーチンが3,242戸、Avexが228戸。継続中
- 2023.10トゥルーマークがWathen Castanos Homesの事業を譲り受けトゥルーマークが、カリフォルニア州中央部で土地の開発から住宅の販売まで手がけるWathen Castanos Homes(JP Holdings)の事業を譲り受けた。2022年の引渡しは398戸で、約3,700区画を確保している。継続中
- 2024.01キャッスルロックがテネシー州のJones Companyの事業を譲り受けへテキサス州を中心に住宅を売るキャッスルロックが、ナッシュビルで30年以上住宅を手がけてきたThe Jones Company of Tennesseeの事業を譲り受ける契約を結んだ。2022年の引渡しは250戸。継続中
- 2024.05スタンレー・マーチンが土地開発のPrestigeの持分すべてを取得へスタンレー・マーチンが、土地開発と土地造成を請け負うPrestige Corporate Developmentの持分すべてを取得する契約を結んだ。Prestigeは約8,050区画の開発予定地を確保している。継続中
- 2024.11米国の賃貸住宅会社Alliance Residentialの持分35%を取得Daiwa House USA Holdingsを通じ、全米16州39都市圏で賃貸住宅の開発・建設・取得を手がけるAlliance Residential Companyの持分35%を取得し、持分法適用関連会社にした。継続中
- 2025.09スタンレー・マーチンがノースカロライナ州のWindsorの戸建住宅事業を譲り受けスタンレー・マーチンが、ノースカロライナ州グリーンズボロとウィルミントンで住宅を売るWindsor Investmentsの戸建住宅事業を譲り受けた。2024年の引渡しは334戸で、約2,100区画を確保している。継続中
- 2025.11キャッスルロックがアラバマ州のWrEn Homesの戸建住宅事業を譲り受けキャッスルロックが、アラバマ州ハンツビルで買い替え層向けの住宅を売るWrEn Homesの戸建住宅事業を譲り受け、アラバマ州に初めて入った。2024年度の引渡しは80戸。継続中
- 2026.02Alliance Residentialと共同で米国の賃貸住宅開発を開始Alliance Residentialと共同で、米国で賃貸住宅の開発を始めた。第一弾はテキサス州セリーナの414戸で、2026年2月上旬に着工。総事業費は約170億円。継続中
- 2026.03トゥルーマークがワシントン州のMonarchの戸建住宅事業を譲り受けトゥルーマークが、ワシントン州シアトル大都市圏で分譲住宅と宅地開発を手がけるJK Monarch Enterprisesの戸建住宅事業を譲り受けた。約600区画を確保している。継続中
- 2026.05スタンレー・マーチンがUnited Homes Groupの全株式を取得スタンレー・マーチンが、サウスカロライナ州・ノースカロライナ州・ジョージア州で住宅を売るUnited Homes Groupの全株式を取得し、完全子会社にした。企業価値評価額は約221百万米ドル。2025年の引渡しは1,192戸。継続中
- 2026.07スタンレー・マーチンがフロリダ州のHoliday Buildersの全株式を取得スタンレー・マーチンが、フロリダ州全域で住宅を売るHoliday Buildersの全株式を取得し、完全子会社にした。2025年の引渡しは1,050戸で、約10,600区画を確保している。継続中