SOMPOホールディングスの年表28件を、中身で分けてみた。
出資と資本業務提携12件、海外の保険会社の買収5件、自分で立ち上げた会社と子会社化5件、業務提携3件、次へ渡したもの3件。
いちばん多いのは出資だ。しかも、相手の多くは保険会社ではない。自動運転、駐車場、データ分析、スポーツクラブ、ロボット、終活。
同じ会社に、2回入れた
2020年8月、自動運転のソフトウェアを開発するティアフォーに約98億円を出資した。「自動運転プラットフォーム」を一緒に開発・展開するという資本提携だ。
2022年7月、同じティアフォーに100億円を追加で出した。2回を足すと約198億円になる。どちらの発表にも、出資比率は書かれていない。
お金を出して株を持つ「資本提携」と、仕事を一緒にする「業務提携」を同時に結ぶこと。株を持つので、ただの業務提携より関係が深くなります。
事業稼働チャート
保険の外の「健康と暮らし」へ
2020年7月にスポーツクラブのルネサンスの株式7.5%を取得し、12月には家族型ロボット「LOVOT」のGROOVE Xと資本業務提携した。2022年12月には介護のソフトウェアのエヌ・デーソフトウェアを100%子会社にすると決めた。
2024年6月にはRIZAPグループと資本業務提携し、200億円を出した。RIZAPグループの株式4.87%と、RIZAP株式会社の23%を持つ。2025年12月には終活の鎌倉新書の10%を持った。
スポーツクラブ、ロボット、介護のソフト、健康づくり、終活。どれも「保険金を払う前」と「払ったあと」の暮らしに近い会社だ。
海外は、農業保険から始まった
海外の買収5件のうち、最初の2件は農業保険だった。2020年9月に米国48州で制度農業保険を提供するDiversified、2021年9月にイタリアの農業保険会社ARA 1857を買うと発表した。
2025年8月、米国・英国・バミューダで元受保険と再保険を営むAspenの普通株式を、約34.8億米ドル(約5,195億円)で100%取得すると発表した。2026年2月24日に完了している。2026年7月には米国の労災保険とブラジルの企業向け保険の買収を続けて発表した。
SOMPOホールディングスの新規事業 年表
- 2019.02DeNAとカーシェア・カーリースの合弁会社2社を設立DeNAと、個人間カーシェアの「DeNA SOMPO Mobility」と、マイカーリースの「DeNA SOMPO Carlife」の合弁会社2社を2019年3月に設立すると発表した。継続中
- 2019.10akippaの株式約33.4%を取得し関連会社に駐車場の利用者と空いている駐車場のオーナーをつなぐakippaの株式約33.4%を10月1日付で取得し、関連会社にした。駐車場シェアリングの事業に新しく入った。継続中
- 2020.06米Palantirに500百万米ドルを出資データ分析のソフトウェアを提供する米Palantir Technologiesに500百万米ドルを出資した。2019年11月に設立したPalantir Technologies Japanを通じ、日本でのデータ活用の基盤づくりを進める。継続中
- 2020.07ルネサンスの株式7.5%を取得スポーツクラブのルネサンスが行う第三者割当の自己株式処分を引き受け、1,603,500株(持株比率7.5%、議決権比率8.49%)を取得すると発表した。健康寿命を延ばす取り組みを一緒に進める。継続中
- 2020.08ティアフォーに約98億円を出資自動運転のソフトウェアを開発するティアフォーに約98億円を出資し、資本提携した。自動運転を社会で使えるようにする「自動運転プラットフォーム」を一緒に開発・展開する。継続中
- 2020.09米Diversified Crop Insurance Servicesを買収子会社のSOMPOインターナショナルが、米国48州で制度農業保険を提供するDiversified Crop Insurance ServicesをCGB Enterprisesから買収すると合意した。同社の2019年の取扱保険料は1,084百万ドル(約1,142億円)。継続中
- 2020.12GROOVE Xと資本業務提携家族型ロボット「LOVOT」を開発するGROOVE Xの第三者割当増資の一部を引き受け、業務提携の基本合意を結んだ。高齢者の見まもりや、認知症の方のケアでのLOVOTの効果を確かめる。継続中
- 2021.04ABEJAと資本業務提携(21.9%)AIのABEJAと資本業務提携した。出資比率は21.9%。データの基盤づくり、グループのデジタル化、AIの活用、デジタル人材の育成を一緒に進める。継続中
- 2021.06デジタル子会社SOMPO Light Vortexを設立デジタル技術を使った商品・サービスの企画・開発・販売をする新会社「SOMPO Light Vortex」を、資本金100億円・100%出資で2021年7月に設立すると発表した。継続中
- 2021.06英Wejoへ戦略投資5,000万台以上のコネクテッドカーから集めた移動データを分析して提供する英国のWejoに戦略投資した。Palantirと3社で、移動の分野の新しいサービスと保険を開発する。継続中
- 2021.09伊ARA 1857を買収子会社のSOMPOインターナショナルが、ひょう・強風・霜・豪雨・干ばつなど天候による損失を補償するイタリアの農業保険会社ARA 1857を買収すると発表した。完了は2022年1-3月期の予定。継続中
- 2021.09Cover Geniusへ約55億円を出資子会社のSompo Holdings (Asia)が、世界のEC企業と組んで顧客に合わせた保険を届けるインシュアテック企業Cover Geniusに約55億円を出資した。継続中
- 2021.12米Deelと戦略的パートナーシップ世界中から人材を採用する企業に雇用・給与支払いの仕組みを提供する米Deelと、戦略的パートナーシップを結んだ。Deelのサービスの上で保険やデジタル商品を届ける検討を始める。継続中
- 2022.07ティアフォーへ100億円を追加出資2020年に約98億円を出資したティアフォーに、100億円を追加で出資した。自動運転の技術開発を速め、省エネによる脱炭素にもつなげる。継続中
- 2022.12エヌ・デーソフトウェアを100%子会社に福祉・医療のソフトウェアを開発・販売するエヌ・デーソフトウェアの株式を取得し、子会社にすると発表した。2023年2月28日に完全子会社化した。介護のデータ連携を進める。継続中
- 2023.08ブラジルのコンシューマー事業を次へ渡すブラジルの保険子会社Sompo Segurosのコンシューマー事業を、独Talanxグループのブラジル保険子会社HDI Segurosへ渡す手続きを、2023年8月24日に完了した。役目を終えた
- 2024.06RIZAPグループに200億円を出資RIZAPグループと資本業務提携し、第三者割当で200億円を出資した。RIZAPグループの株式4.87%と、RIZAP株式会社の23%を持つ。健康づくりのサービスとデータを組み合わせる。継続中
- 2024.06フレッシュハウスを次へ渡す子会社のフレッシュハウスの株式100%を、アークホームへ渡すと発表した。実行日は2024年7月1日の予定。役目を終えた
- 2024.10ジャパンベストレスキューシステムと業務提携暮らしのトラブル対応のジャパンベストレスキューシステムと業務提携した。損保ジャパンを中心に、集合住宅向け・学生向けのサービスを届け、新しい商品を一緒につくる。継続中
- 2025.03DeNA SOMPO Carlifeをオリコの子会社にカーリース「SOMPOで乗ーる」を運営するDeNA SOMPO Carlifeの株式90%をオリエントコーポレーションが取得し、オリコの子会社になると発表した。役目を終えた
- 2025.08英米のAspenを約5,195億円で買収へ米国・英国・バミューダで元受保険と再保険を手がけるAspen Insurance Holdingsの普通株式を、約34.8億米ドル(約5,195億円)で100%取得すると発表した。2026年2月24日に買収を完了した。継続中
- 2025.12鎌倉新書の10%を取得し資本業務提携終活のポータルサイトを運営する鎌倉新書と資本業務提携し、発行済株式の10%を持つ。生前から亡くなったあとまでを支える「終活のインフラ」をつくる。継続中
- 2025.12農業総合研究所へTOB(1株767円)子会社のSOMPO Light Vortexが、農家の直売所事業の農業総合研究所に1株767円で公開買付けを始めると発表した。2026年2月の結果発表で、所有割合は76.68%になった。継続中
- 2026.04英Zegoと戦略的パートナーシップテレマティクス技術を使った自動車保険を提供する英国のZegoと、日本向けのデジタル保険を開発する業務提携を結び、出資もした。継続中
- 2026.05独DRS Groupと戦略的パートナーシップひょうで傷んだ車をPDR技術で直すドイツのDRS Groupと、日本でひょう災害のときに車を早く直す体制をつくる戦略的パートナーシップを結んだ。継続中
- 2026.06Speeeと合弁会社ReFactを設立へリフォームの領域のSpeeeと、合弁会社「ReFact(リファクト)」をつくる最終契約を結んだ。出資はSpeee60.7%・SOMPO HD39.3%、資本金は1,006百万円。災害のときに修理業者を紹介する。継続中
- 2026.07米Service Insurance Companiesの買収に合意子会社のSOMPOインターナショナルが、米国で労災保険を専門に扱うService Insurance Companiesを買収することで合意した。中小企業向けの労災保険を強くする。継続中
- 2026.07ブラジルFator Seguradoraの買収契約子会社のSOMPOインターナショナルが、ブラジルで企業向けの財産保険・保証保険などを扱うFator Seguradoraを買収する契約を結んだ。2023年にコンシューマー事業を手放したブラジルで、企業向けを広げる。継続中
出資の相手は保険の外へ、買収の相手は海外の保険会社へ。2つの方向が、同じ年表の中で並んでいる
ここまでを、ひとつにまとめると
SOMPOホールディングスの28件のうち12件は出資と資本業務提携です。ティアフォーには2回で約198億円、RIZAPグループには200億円を出しました。
海外では、農業保険の2件から始まり、2025年にAspenを約5,195億円で買うと決めました。
自分が担当だったら
SOMPOの28件から持ち帰れるのは、「同じ相手に、段階を分けて入れる」という見方だと思う。
ティアフォーには約2年をあけて2回出資した。農業総合研究所は、2021年に設立したデジタル子会社SOMPO Light Vortexを通じて公開買付けをした。自分で立ち上げた会社が、次の買い手になっている。
いま自分が担当なら、出資の稟議に「次に入れるとしたら、いつ、どの会社から入れるか」を一行書き添えると思う。1回目の出資を、2回目の入り口として説明できるからだ。